Zero-Alpha/永澤 護のブログ

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empi

分析哲学・反精神医学・大英帝国
2015年5月20日 13:23

分析哲学の一つの重要な起源(オースティン)は英国対外諜報機関MI6であり、反精神医学・システム論的認知行動療法アプローチ(ロナルド・レイン、グレ ゴリー・ベイトソン、クルト・レヴィン、一説にはビートルズも)の一つの重要な起源はタヴィストック人間関係研究所(英国王立国際問題研究所:チャタムハ ウスの下部機関)である。その登場の時期も並行している。(参考:How to Do Things with Words, Harvard University Press, 1962. 邦題:『言語と行為』) 興味深い。もし戦略的に連動していたとするなら、「大英帝国」の地球規模の狙いはなんだったのだろうか? マクロにはもちろん「英語(米語)」を骨格とし たグローバル資本主義の言語ゲーム、生活形式それ自体である。いわゆる「資本主義的大衆文化」という鉄の檻の捏造だ(無論その最終目標はあらゆるレベルにおける大衆の「完全支配」だろう)。これは確実に狙っていたと言える。既述の「ラカン派精神分析という言説実践には<フランス(語)>あるいは<フランス(国体)>(同時に<フランス人> という身体的現実)の自己防衛あるいは自己享楽メカニズムの側面が濃厚である。自己防衛的(神経症的)側面と自己享楽的(精神病的)側面とが内的に葛藤し「英語 (米語)」と「仏語」をともに包括するより大きな複合体としての外部の内部すなわち「英語(米語)」と闘争を続ける。いわば祖国防衛闘争としてのレジスタンスであり、職業的哲学者になる前に英国対外諜報機関MI6職員だったオースティンを源流の一つとする英米分析哲学と現代フランス思想の闘争がその典型的な表現型であるだろう」という論点はここに関わる。またこの点に深く関わるが、アルジェリア植民地傀儡勢力によるド・ゴール暗殺未遂や「五月革命」以後の無力化も英米を枢軸とする世界戦略システムによるものだろう。ビートルズに関してはどうなのかと思うのが普通だろうが、もし事実なら、おそらく彼ら自身としてもそういった戦略的な意図があったとしても、直接(少なくても 最初期の時点では)自覚できなかったと思われる。実際の活動主体が全体のステルス的な戦略を自覚できない形で任務を遂行できなければ、十分成功の可能性の ある練り上げられた優れた戦略だとは言えない。ともあれ、事実はもう少し後になってから次第に明らかになっていくはずだ。少なくても、「グローバル資本主義の言語ゲーム、生活形式それ自体すなわち資本主義的大衆文化という鉄の檻の捏造」という目的には、地球規模でコントロールされたmediaによるビートルズのフレームアップという戦略は最適なものだっただろう(もしその説が真実なら)。

この戦略はかなり深く多岐に渉り複雑だ。現時点まで連続的に存続し得ている部分と既に頓挫しているかしかけている部分が絡み合っていると考えられる。DSM5に沿った精神医学の方向性が今後どういう経緯をたどるのか、それと先端的バイオ軍事技術の関係性、さらには「西欧哲学」とその外部との関係性などの指標に留意すべきだろう。またもっと身近な領域で様々な指標が見つかるはずだ。ただ、五月革命を始めとする当時のグローバルな「対抗文化運動」を素朴なイメージで捉えるべきではない。ロナルド・レインの『引き裂かれた自己』が1971年、そしてレインたちに影響されたドゥルーズ・ガタリの『アンチ・オイディプス』が1972年と同期しているのは無論偶然ではない。五月革命によりド・ゴールは無力化され資本主義の不可視の鉄の檻は完成へと向かった。熾烈な攻撃を受けたラカン(派精神分析)の変貌がここから始まる。『ミル・プラトー』がイスラエル国防軍のマニュアルとして使われたのも偶然ではない。また、「オイディプス」の解体・消滅が資本主義の言語ゲーム、生活形式をここまで延命させたことも。それはオックスフォード(またはロンドン、バーゼル、チューリッヒ、ニューヨーク)への明らかな(最初からプログラムされていた)敗北であった。その主観的な意図とは真逆の効果を引き出される形で彼らに上手く乗せられ利用されたからだ。だが、先に私は、「その自己防衛的実践は、より大きな<英米仏複合体>の地球規模の自壊運動に飲み込まれていくのかもしれない」と書いた。現在、地球上の全く新たな地平から、かつてないグ レート・ゲームの逆転が生まれている。


参考:

「ロンドンにあるタヴィストック診療所は、ドイツからやって来たジグムント・フロイトが働いた場所であり、その後、甥のエドワード・バーネイズが活動した 場所である。こうして英国は第一次大戦後、米国に林立した診療所の母体となる大衆洗脳、社会工学実験の世界的な中心地となった。第二次大戦中、タヴィストックは英国陸軍心理戦争局の本部だった。そして英国の特別作戦局(MI6の前身)の要請にもとづいて、米国軍に心理戦争を仕掛ける計画を指示した。」(『タヴィストック洗脳研究所』成申書房 2006年 p.92.より引用)


「なんといってもミードとバートランド・ラッセルが「必要なのは御しやすい世界の構築である」と述べ ていたのだ。(中略)このタヴィストックの使者は黒人を「無用の大食い(ユースレス・イーターズ)」呼ばわりし、彼らを追い払ってひとまとめにすべきだと も公言した。ラッセルはブラジル国民の従順さも気に入っており、彼らの従順さは、奴隷として集められたアフリカ人との黒人種婚姻の成果であると考えてい た。」(前掲書 p.108.)


「「世論」形成に拍車をかけた中心機関は「全米士気委員会」である。ウィルソン大統領が第一次大戦を〝運営”する委員会を設立したのと同じように、戦争支持を拡大するためだけに設立されたその委員 会の真の狙いは、社会的な統制手段を創出し、それを維持していくために「枢軸国」と米国市民の集中的なプロファイリングを実施することだった。(中略)事 務局長を務めたマーガレット・ミードの夫グレゴリー・ベイトソンは、麻薬、ロック、セックスといった、米国の反体制文化を積極的に推進したと多くの専門家が認めている、CIAの悪名高い「MKウルトラ」LSD実験の中心人物である。」(前掲書 pp.72-73.)


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